中学生になって成績が伸び悩んでいる子どもにどうやって手助けしたらいいかわからない。このような悩みを持つ親はかなり多いです。
子どもが自分で進んで勉強して、そして良い成績をとっているならなにも問題はありませんが、親の願いとはまったく反対の結果になってしまうこともたくさんありますよね。
今回は、中学生の成績を上げるコツや勉強法を解説していきます。特にテスト前に行うテスト勉強について詳しく解説します。
中学校のテストは小学校とどう違う?
中学校と小学校のテストはまったく異なります。大きく分けて以下のような違いがあります。
①テストがある教科の数が増える。全ての教科が1日でまとめてある。
②小学校に比べて、中学校のテストは覚えるべき内容が多く、テスト範囲が広い。
テストがある教科の数が増える。全ての教科が1日でまとめてある。
単純に教科が増えれば、教科ごとの勉強時間が必要になります。小学校と同じ感覚で勉強してしまうと、まったく勉強量が足りずに成績が落ちてしまいます。
加えて各教科の難易度も小学校よりも格段に上がり、そういった教科が1日に一気にあります。
小学校の時は教科によってテストの時期がまちまちであったため、それぞれのテストに向けて勉強すればよく、負担は少なくて済みました。
中学生は一日ですべての教科のテストが実施されるため、入念なテスト勉強が必要です。
小学校に比べて、中学校のテストは覚えるべき内容が多く、テスト範囲が広い。
小学校の時は、単元ごとに復習するためテストの側面が強く、範囲が狭いのが特徴です。
なので、小学校の時は、テストの直前に勉強しても十分良い点数が取れました。
しかし中学校では各教科とも、複数の単元が一気にテスト範囲となるため、テスト勉強の範囲が小学生の時に比べて圧倒的に広くなります。
小学校と中学校とはテストの難易度と範囲ともにレベルが大幅に上がるため、その分じっくりテスト勉強に向き合う必要がありますので、注意が必要です。
中学生のテストで高得点を狙うための勉強法
高得点を狙うためにはただ闇雲に勉強すればいいわけではありません。効率的な勉強で量をこなして初めて高得点につながります。ここではどういった勉強が高得点につながるか紹介します。
勉強法その1 目標点数を一緒に決める
勉強方法を考えるためにまずは、目標を設定するようにしましょう。
なぜなら、ゴールがなければゴールまでの道のりもわからないからです。
まずは、子どもと一緒に目標点数を設定しましょう。
なぜ一緒に設定するのかというと、子ども自身で目標点数を設定させることでやる気が持続するからです。
くれぐれも親が目標点を決めることはしてはいけません。なぜなら「自分はこれぐらいできたのだから、これぐらいはできるだろう」という考えになってしまうからです。
こうなると子どもは「そんな点数なんかとれるわけない」と心で思ってしまい、テスト勉強になかなか身が入らなくなってしまいます。
宣言した点数が低すぎたり、高すぎたりしても、決して否定することなく、受け入れて応援してあげましょう。
勉強法その2 目標点数から逆算して、各教科で何を勉強するべきかを設定する。
目標点数が決まったら、教科ごとにどんな知識や問題を勉強する必要があるのかわかるようになります。
テスト範囲を網羅的に勉強できる中学生であれば、自分でテスト勉強できて、成績はすでに良い場合がほとんどです。
しかし成績が伸び悩んでいる中学生の場合は、まずなにを勉強していいかわからない場合がほとんどです。
まずはどの問題演習をするべきなのか明確にすることで、テスト勉強をなんとなくやるよりも効率的に進めることができます。
勉強法その3 勉強したことや学んだことを夕食や朝食で子どもに話をさせる
子どもがテスト勉強や中学校で学んだことを夕飯などの雑談の中で話をさせると定着しやすいです。
なぜなら、中学生のテスト勉強は知識を頭に入れて、暗記するインプットの勉強がほとんどだからです。
実際に話したり、教えたりする場面を作ることで、雑談自体が復習になり、記憶に定着しやすくなります。
中学生のテスト勉強というと、机に向かって黙々と勉強するイメージですが、実はたわいもない夕食の中での話が大きな復習になり、特に暗記系科目にかなり効率的なテスト勉強法になります。
勉強法その4 書いて覚えるのではなく、見て覚える。
英語の単語や社会の語句など、ノートに何回も書いて覚えようとするのはよくありません。
なぜなら記憶というものは何回も見て、記憶しようして初めて長期記憶できるようになるからです。
書いて覚えるというのは、見て記憶するよりも圧倒的に時間がかかります。
例えば英単語のtemperature(気温)を10回書いてる間に、10個の単語を見ることができるからです。
また10回書いたとしても、おそらくその知識は次の日には忘れているため、労力に対してそこまで大きな成果にならないことがほとんどです。
どうせ忘れるなら、見て覚えて忘れるというサイクルを10回繰り返すほうが、覚えやすく定着もしやすいです。
「書いて覚えた方が覚えられる」というのは、書いたという行動に対して満足しているのであって、実際に覚えられたかどうかは怪しいものです。実際10回見て覚えたのとほとんど変わりません。
子どもの勉強の仕方を観察して、もし書いて覚えようとする勉強方法を行っていた場合には指摘してあげてください。
中学生はテスト勉強の仕方が意外に知っておらず、非効率的な勉強をしていることが多いため、勉強の仕方を教えるほうが、勉強の内容を教えるよりも効果的です。
そのほかにも、数学のテスト勉強で問題文をすべて写すことに一生懸命になっていたり、社会のテスト勉強で大事なところをマーカーで引いて満足している中学生もいます。
書いたり、下線を引いて覚えるのではなく、複数回見て記憶する勉強法が効率的でオススメです。
中学生のテスト勉強法はどの教科も同じ?
中学生のテスト勉強はどの教科でも同じわけではありません。教科は2つに大別できます。
1つ目は社会や理科、英語の単語・文法など、暗記系の科目
2つ目は国語や数学、英語の長文読解など、問題演習系の科目です。
暗記系も問題演習系どちらも「繰り返し」が大切ですが、いつ繰り返すが非常に大切です。
社会や理科、英語の単語・文法など、暗記系の科目
暗記系に適した勉強法は「朝と夜の繰り返し」です。
なぜなら、記憶は寝ている間に整理されて長期記憶に移る脳の構造になっているためです。
そのため、暗記したい語句や意味を夜寝る前に覚えて、朝起きたらすぐに繰り返すことが最も効率が良い勉強方法になります。
国語や数学、英語の長文読解など、問題演習系の科目
問題演習系は中学生のテスト勉強によくある机に向かって勉強です。
暗記系と違って、解いていく中で「理解」が必要です。問題を解く→解答を見る→理解する→もう一度類題を解く。この流れが必要となるため、ある程度まとまった時間が必要です。
例えば数学などは、実際に解いてみないとなかなか見ただけでは定着しません。国語も、問題を解く中で、長文の解き方がわかってきます。
このように問題演習系は机に向かって繰り返し問題演習を解いていく勉強法が最も効果的です。
中学生のテスト勉強はいつから始める?
中学生のテスト勉強は早ければ早いほど良いですが、最低でもテスト2週間前から始めると良いでしょう。
なぜなら中学生の定期テスト前には、約2週間のテスト勉強強化週間があり、その期間は勉強に集中することができるからです。
しかしほとんどの中学生はテスト勉強を、テスト1週間前まで本格的にテスト勉強を開始せず、直前に知識を詰め込む傾向にあります。
例えば、テスト前日に一気に詰め込んだり、徹夜で勉強するなどです。
これは成績が上がるどころか、テスト勉強に対する嫌悪感や勉強嫌いにつながり、ますます成績が悪くなります。
まずはテスト勉強強化週間のスタートと同時にテスト勉強をはじめられるようにしましょう。
テスト勉強の時間はどれぐらい?どうやって時間を作る?
ある研究機関によると、成績上位者の中学生の勉強時間は平均142分という結果が発表されています。
テスト前以外の期間も含めているため、単純にテスト勉強の勉強時間とは言えないまでも、142分は一つの基準になります。
一方成績下位層の中学生は約99分といわれています。
この2つの結果から、100分~140分をまずは目標にすると良いでしょう。
ではどうやってテスト勉強の時間を作るのか?
グラフを見てみると、成績上位者は早朝と帰宅時の17時~18時半、そして夕食後の20時前後がピークになっていることがわかります。
つまり、テスト勉強はまとめてやる必要は決してなく、朝と夕方、夜と分割して勉強しても良いことになります。
このようにまとまった時間がとれない中学生は、早朝などのスキマ時間を使って学習すると良いでしょう。
中学生の定期テストが終わってからやること
テスト後は、必ずテストの復習をしましょう。
なぜなら自分の苦手分野を見つけることができる絶好の機会だからです。
自分はなにがわからなかったのか、反対になにが得意なのか自己分析をする中学生ほど成績が伸びやすいです。
テスト勉強を頑張った中学生によくあるのは、テストが終わると一気に気が抜けてダラけてしまうことです。
テストが終わった後は気を抜くことなく、復習を促す声がけをすると良いでしょう。
このように中学生になって成績が伸び悩んでいる子どもにどうやって手助けしたらいいか紹介してきました。
少しでも子どもが自分で進んで勉強して、良い成績を取れるよう、親ができる手助けの仕方をやってあげてください。
きっとそういった親を見て、子どもも一生懸命勉強してくれるはずです。